治療の流れ
長期に持たせることを第一に、一つ一つのステップを確実に
歯を失うと、一刻も早く歯を入れたいと思われるかもしれません。でも、インプラントはとりあえず埋めればうまく噛めるようになる、というものではありません。インプラント治療を成功させるために、そして長期的に持たせるためには、一つ一つのステップを慎重に、丁寧に、着実に行うこと、それが大事です。
インプラントの手術
まず、インプラントには外科手術が必要です。一般的に行われているインプラントの手術方法として、1回法と2回法があります。この回数は、歯が入るまでの工程の回数ではなく、歯茎を切り開く回数を表しています。
1回法と2回法、それぞれの違い
歯茎の回数を切り開くのは少ない方がいいと思われるかもしれませんが、どちらが適しているかは骨の状態などによって違ってきます。実際、2回法の方があらゆるケースに対応できるため、こちらの方が多く行われる傾向があります。
歯茎の回数を切り開くのは少ない方がいいと思われるかもしれませんが、どちらが適しているかは骨の状態などによって違ってきます。実際、2回法の方があらゆるケースに対応できるため、こちらの方が多く行われる傾向があります。
1回法とは
インプラント手術で歯茎を切開する手術の回数が1回で終わります。具体的にはインプラントを埋め、その埋めたインプラントを歯茎で覆うことなく、インプラントの頭の部分を出した状態で手術を終わらせます。
その後、インプラントが骨と結合したら上に被せ物を取り付けます。通常骨がしっかりしているケースで、骨移植の必要がない場合に行われます。
- インプラントが入るまでの期間が短い
- 手術が1回で済むので、治療期間も短くすることができます。
- 手術が1回で済むので楽
- 歯茎を切開する回数が1回で終わるので、身体的、精神的ストレスが少なくなります。
- インプラントに外力がかかりやすい
- インプラントの一部がお口の中に露出している状態になるため、インプラントに外力がかかりやすくなります。
- 感染のリスクが高くなる
- インプラントが露出しているため、清掃をしっかりと行わないと感染のリスクがあります。また、骨を増やす手術を併用する場合、インプラントが露出していて閉鎖されていないため、特に感染リスクが高まります。
- 骨がしっかりしていないとできない
- 骨が少ないケースでは骨を増やす手術が必要になりますが、そのようなケースでは特に感染が起こりやすくなるため、通常、1回法は行えません。
2回法とは
インプラント手術の際に歯茎を切開する回数が2回必要な手術法です。インプラントを埋めたら、完全にインプラントを歯茎で覆って封鎖します。
その後インプラントが骨と結合したら、被せ物をするために再度歯茎を切り開き、被せ物を装着します。
- ほとんどのケースで対応できる
- 2回法は骨が少なく、骨の移植が必要なケースでも対応することができます。
- 感染のリスクが低い
- インプラントを歯茎で完全に封鎖するので、外部からの感染が起こりにくくなります。
- 外力がかかりにくい
- 一旦インプラントを埋めたら、インプラントが完全に歯茎の下に隠れますので、外力がかかりにくいのもメリットです。
- 手術回数が1回多くなる
- 歯茎を切る回数が2回になるので、身体的・精神的負担が余計かかります。ただし、2回目の手術は歯茎を少し切開してインプラントの頭を露出させる簡単なものなので、実際にそれほど負担がかかるものではありません。
- 通院回数、治療期間は1回法より多くなる
- 治療の工程が多くなりますので、通院回数や治療期間は多少長くなります。
以上のように、1回法、2回法それぞれにメリットやデメリットがあります。どちらが合っているかは詳しく診査して判断していきます。
インプラント治療の流れ
1.カウンセリング
患者様のお悩みやご要望をじっくりと伺い、インプラントを含めた他の治療の選択肢も含め、ご説明いたします。どんな些細な疑問やご要望でもご相談ください。
2.診査・治療計画
全身疾患などの有無をお聞きし、お口の中の診察、レントゲンやCT撮影をした後、それを元に治療計画を立てていきます。治療法や治療期間、費用などについてもご相談していきます。
3.一次手術(1回法、2回法)
歯茎に麻酔をした後、歯茎を切開してインプラントを骨に埋めていきます。1回法の場合は頭を露出させた状態で、2回法の場合は完全に歯茎で覆い、縫合します。
4.治癒を待つ期間
インプラントが骨にくっつくのを待ちます。1回法の場合1〜2ヶ月程度、2ヶ月〜4ヶ月くらいです。
5.二次手術(2回法のみ)
インプラントと骨が固定されたのを確認し、再度歯茎を開きインプラントの頭の部分を露出させます。そして、被せ物をつけるのに必要な土台部分であるアバットメントを装着します。30分くらいで終わります。
6.被せ物の型とり→装着
1週間〜2週間後、二次手術後の傷口が治ったら、型をとって被せ物を装着します。