親知らずによって起こりうる影響・症状
親知らずは、すべてのケースでそうだとは言えませんが、次のような影響や症状を引き起こすことがよくあります。
◆痛み・腫れ
親知らず周囲の歯茎が炎症を起こし、腫れて痛みを起こすことはよくあります。また、虫歯がひどくなって強い痛みを起こすこともあります。親知らずが生えてくる際に、周囲の歯や組織を押して圧迫して痛みを感じることもあります。
親知らずの周囲の炎症は、周囲組織にまで波及することがあります。例えば、顎の下を大きく腫れさせてしまったり、稀ではありますが、喉から心臓周辺へと感染が広がっていくと、最悪命に関わることもあります。
◆虫歯・歯周病
親知らずはかなり奥に位置しているため、よほど意識して磨かない限り、歯ブラシがきちんと当たらず不潔になりがちです。そのため、周囲に歯垢が溜まって虫歯や歯周病を起こすことが珍しくありません。
親知らずだけが影響を受けるのであれば、親知らずを抜くことで問題解決するのでまだ良いのですが、手前の歯にも虫歯や歯周病を起こしてしまうことがあるため注意が必要です。
◆歯並びのズレ
親知らずは思春期以降に生え始めることが多いですが、成人後に生えることもよくあります。親知らずが生える際に手前の歯を押す力が働くと、歯並びがずれて前歯が重なってしまうことがあります。そのため、特に矯正治療をお考えの方は、せっかく整えた歯並びが親知らずによって乱れることのないよう、早めの抜歯をおすすめすることがあります。
◆顎関節症
親知らずが生えてくる位置によっては、噛み合わせに悪影響を与え、それによって顎関節症を引き起こして、顎の痛み、雑音、口が開けづらいというような症状を起こすことがあります。
◆口臭
親知らず周囲は歯ブラシが行き届きにくい、蓄積した汚れが原因で虫歯や歯周病になりやすい、というような理由から口臭の発生源になることがあります。歯磨きをしっかりとしていても、親知らずが半分埋もれている状態が長く続くと、歯茎の溝の部分に溜まっている歯ブラシでは取り除けない細菌が口臭の原因になることがあります。
◆口内炎
親知らずが斜めに傾いて生えてきて頬の粘膜を刺激したり、噛み合わせの親知らずが生えていなくて向かいの歯茎を噛んでしまう場合、その部分が繰り返し口内炎となり、痛みの原因になることがあります。